さよなら△。また来て死角。

キラキラ輝くもの

生きてる世界のこととか。

きてるってなんだろうって疑問も浮かべるのもめんどくさくなるほどに、寝て起きて学生やらアルバイターやら社会に割り振られた役割の大きなこととか小さなこととかこなして、また家に戻って食べて適当に過ごしてぼーとして時計みたらもう少しで明日が始まる時間がきそうになってるという単調なリズムの中に飲み込まれてる。何にもしなくてもお腹は減るし、黙っていても心臓は動く。もういっそのこと感情奪われてロボットにしてくれた方が楽なんじゃないかなとも思う。同じこと繰り返すだけがあと何十回、何百回、何億回と続くなら時計もカレンダーも全部燃やして明日という概念も消してほしいなんて考えてもみる。そんなくだらないこと考えているとまた今日が昨日になって明日が来る。

最初は仕事覚えようと必死で、叱られて何度も辞めたいと思ったバイトも慣れてしまえば何てこともないベルトコンベアーに乗せていくだけの単純作業のように手順を頭に浮かべることもなく身体が記憶している行動だけでこなせるようになり、最初の向上心さえも腐って怠惰になり単純なリズムの中に沈んでいく。

そんな日常に閉じ込められた囚人みたいな日々の中でも、ごくたまに変化がある。寝ぼけ眼をこすりながらたいしてお客さんもいるわけもなく穏やかなBGMだけが嫌に響く店内を適当に回って、適当に仕事みつけて、いつものきているお客さんに聞かなくてもいいだろと内心悪態をつきながらご注文は何にいたしますかと聞くと、いつもとは違う食べ物と飲み物の名前が出てくる。そんなときに、ああ、世界ってちゃんと動いてたんだって実感するし、今日生きてる世界はいつもとは違う世界なのではないかと少し困惑する。もし違う世界なら前よりは少し幸せになってるのかなとか期待したりする。だったら、感情のないロボットになるのはもったいないから、もう少し人間で生きて幸せになりたいと思う。

そうやって思えた日は、セピア色から総原色の世界に変わってく。見落としてるだけで、たまたま夕食が好きな食べ物だったりとか、私の好きなものを好きだといってくれる人に出会えたとか、好きなアーティストのライブがもうすぐだとか単調なリズムを抜け出して、幸せなパラレルワルードにつながる鍵みたいなものは案外たくさんある。

生きてくっていうのは、今はまだよくわからないし、私は何十年先や何年先のことを考えて生きていけるほど器用な人間ではないけど、そういう小さな楽しみみたいのはたくさんあるし、一ヶ月とか三ヶ月先にひとつは私が見たり聴いたり話したりしたいことは待っていてなめくじみたいなスピードでもそうやって待ち受けてるであろう変化で単調なリズムを破壊していきたいし、自分が幸せになれるであろう世界に近づいていきたい